相続した空き家の売却の流れ|相続登記義務化と3000万円控除をわかりやすく解説

相続した空き家の売却の流れ|相続登記義務化と3000万円控除をわかりやすく解説

この記事の要点

  • 相続した空き家は、相続人の確定→遺産分割協議→相続登記を済ませてから売却する
  • 2024年4月から相続登記が義務化。相続を知った日から3年以内に登記しないと10万円以下の過料の対象
  • 一定の要件を満たせば「相続空き家の3000万円特別控除」で譲渡所得から最大3000万円を控除できる(2027年12月31日までの売却が対象)
  • 空き家を放置すると管理不全空家・特定空家に指定され、固定資産税の軽減が外れるリスクがある

親が亡くなり実家を相続したものの、住む予定もなく空き家のまま──そんな方は少なくありません。しかし、空き家を放置すると税金や管理の負担が増えるうえ、2024年4月からは相続登記も義務になりました。

この記事では、相続した空き家を売却するまでの流れを6つのステップで図解し、知っておきたい制度(相続登記の義務化・3000万円特別控除)もあわせて解説します。

相続した空き家を売却するまでの6ステップ

相続空き家の売却の流れ

  1. 遺言書の有無を確認自筆の遺言書は家庭裁判所の検認が必要な場合あり
  2. 相続人を確定する亡くなった方の出生から死亡までの戸籍を集める
  3. 遺産分割協議で誰が相続するか決める全員の合意内容を遺産分割協議書にまとめる
  4. 相続登記(名義変更)法務局で相続人の名義に変更。2024年4月から義務化
  5. 査定・売却活動・契約仲介で売るか、買取業者に売るかを選ぶ
  6. 引渡し・確定申告売却した翌年に確定申告。特例を使う場合も申告が必要

ポイント
売却の手続きを始められるのは、相続登記で名義が相続人に変わってからです。相続人が複数いる場合は、全員で共有名義にするか、代表者1人の名義にしてから売却するのが一般的です。

相続登記の義務化とは

2024年4月1日から、不動産を相続したら登記をすることが法律上の義務になりました。

相続登記義務化のポイント

開始日 2024年4月1日
期限 相続により不動産を取得したことを知った日から3年以内
過去の相続 2024年4月1日より前の相続も対象(2027年3月31日までに登記が必要)
罰則 正当な理由なく怠ると10万円以下の過料の対象
すぐに分割できない場合 「相続人申告登記」で義務を果たすことができる

「祖父の名義のまま」という空き家もよく見られます。この場合は相続が何代にもわたって発生している(数次相続)ため、相続人の数が増えて手続きが複雑になりがちです。早めに専門家へ相談しましょう。

相続空き家の3000万円特別控除

相続した空き家を売って利益(譲渡所得)が出た場合、一定の要件を満たせば、譲渡所得から最大3000万円を控除できます。税金が大幅に軽くなる可能性がある制度です。

  • 1981年(昭和56年)5月31日以前に建築された家屋であること(区分マンションは対象外)
  • 相続の直前まで、亡くなった方が1人で住んでいたこと(老人ホーム入所の特例あり)
  • 相続した時から売るまで、空き家のままであったこと(貸したり住んだりしていない)
  • 相続開始から3年を経過する年の12月31日までに売ること
  • 売却価格が1億円以下であること
  • 耐震リフォームをする、または取り壊して更地にすること(2024年1月以降の売却は、買主が売却の翌年2月15日までに行う場合も対象)

注意点
この特例は2027年12月31日までの売却が対象です。また、相続人が3人以上の場合、1人あたりの控除額は2000万円になります。適用できるかどうかは個別の状況によるため、必ず税理士や税務署に確認しましょう。

空き家を放置するとどうなる?

「とりあえずそのままにしておこう」と考えがちですが、空き家の放置には次のようなリスクがあります。

  • 01税金が上がる管理不全空家・特定空家に指定され勧告を受けると、固定資産税の住宅用地特例が外れる
  • 02建物が傷む人が住まない家は劣化が早く、売却価格も下がりやすい
  • 03近隣トラブル倒壊・雑草・不法投棄・放火などで損害賠償の責任を問われることも

2023年12月の空家等対策特別措置法の改正で、倒壊の危険がある「特定空家」になる前の段階でも「管理不全空家」として指導・勧告の対象になりました。早めの判断が大切です。

仲介と買取、どちらで売る?

相続空き家の売却方法の比較

仲介 買取
売却価格 相場に近い価格を目指せる 相場より低めになりやすい
売れるまでの期間 数か月〜1年以上 最短数日〜1か月
荷物の片付け 基本的に必要 そのままでOKのことが多い
遠方からの対応 内見の立会いなどが必要 最小限の立会いで完了

築年数が古い家、荷物が多く残っている家、相続人が遠方に住んでいる場合などは、買取の方が手間と時間を大きく減らせます。

MAIVERSEの相続空き家サポート

MAIVERSEでは、相続による空き家の売却について、遺産分割協議から相続登記、売却完了までの手続き費用を当社が全額負担し、丸ごとサポートしています。弁護士・司法書士・税理士と常に連携しているため、相続人どうしの意見がまとまらない場合や、名義が祖父母のままの場合もご相談ください。

まとめ

  • 相続空き家は「相続人の確定→遺産分割協議→相続登記→売却」の順で進める
  • 相続登記は2024年4月から義務化。3年以内に登記しないと過料の対象
  • 要件を満たせば3000万円特別控除が使える(2027年12月31日までの売却)
  • 放置するほど税金・劣化・近隣トラブルのリスクが高まる

よくある質問

Q相続登記をしないまま空き家を売ることはできますか?
Aできません。売却するには、まず亡くなった方から相続人へ名義を変更する相続登記が必要です。2024年4月からは相続登記が義務化され、相続を知った日から3年以内に登記しないと10万円以下の過料の対象になります。
Q2024年より前に相続した不動産も登記義務の対象ですか?
A対象です。2024年4月1日より前に相続した不動産も、2027年3月31日までに相続登記をする必要があります(相続を知った日が後の場合はその日から3年以内)。
Q3000万円特別控除はどんな家でも使えますか?
A使えません。主に1981年5月31日以前に建築された家であること、亡くなる直前に被相続人が一人で住んでいたこと、売却価格が1億円以下であること、相続から3年後の年末までに売ることなどの要件があります。相続人が3人以上の場合は1人あたり2000万円になります。詳しくは税理士や税務署にご確認ください。
Q相続人どうしで意見がまとまらない場合は?
A遺産分割協議がまとまらないと売却が進みません。MAIVERSEでは弁護士・司法書士・税理士と連携し、共有者や相続人どうしの調整から相続登記、売却までをワンストップでサポートしています。

執筆

株式会社MAIVERSE 編集部

東京都・千葉県・埼玉県で空き家・訳アリ物件の買取を行う不動産会社です。すべてのご相談に宅地建物取引士が対応し、弁護士・司法書士・税理士と連携して相続不動産の売却をワンストップで支援しています。(宅地建物取引業 東京都知事(1)第112592号)